αリノレン酸〜EPA・DHAの違い

EPA・DHAの違い

DHAとEPAは、どちらも不飽和脂肪酸であり、青魚に多く含まれることからもその性質は非常に似ていますが、一体どんな違いがあるのでしょうか? DHAとEPAはどちらも体に必要不可欠な脂肪酸、つまり体内で作り出すことのできない必須脂肪酸です。

DHAの成分は脳に、EPAの成分は血液に効く

オメガ3系脂肪酸のDHAやEPAは、主に青魚に多く含まれています。

 

悪玉コレステロールや中性脂肪の減少、生活習慣病の予防や血圧向上の抑制など、効果的にもとてもよく似ている成分ではありますが、 実は少しだけ違う部分もあります。 簡潔に表現すると、DHAは脳に効く成分EPAは血液に効く成分です。

医学博士がEPAとDHAを説明

 

DHAは脳神経に働きかけ脳を活発にするため、記憶力が向上するといいます。お年寄りの認知症、またお腹の中の胎児にも効果的だと言われています。

 

また、気分を和らげ、リラックスさせる効果もあります。
もちろん、脳梗塞や脳血栓の予防します。
また、視神経の働きを向上させる効果もあります。

 

一方のEPAには、血液をサラサラにする効果が高く、血栓が出来るのを予防します。この為、心筋梗塞や動脈硬化にとても効果的です。

 

また、アレルギー疾患にも効くと言われています。

EPA

DHA

血小板凝集抑制(血液サラサラ効果)

☆☆☆

☆☆

動脈硬化の予防

☆☆

☆☆

血栓症の予防(心筋梗塞など)

☆☆☆

☆☆

記憶力の向上

☆☆☆

認知症の改善

☆☆☆

抗炎症、抗アレルギー効果

☆☆☆

☆☆

 

EPAとDHAの脳などへの働きの特徴は

EPAとDHAは上記の通りの違いですが、代表的なものは以下の2点です。

脳への働き

EPAは、脳血液関門といわれる、脳への入り口を通り抜ける事ができませんが、一方のDHAは脳血液関門を通り抜けて、脳神経を活性化し、記憶力の向上などの効果があります。

血小板凝集抑制効果

EPAは、血小板凝集抑制効果が非常に高いといわれていて、心筋梗塞や虚血性心疾患などのような予防に非常に高い効果を発揮します。一方のDHAも、同様の効果があるものの、EPAほど高いとはいえません。

EPAとDHAはうつ病に効果!?

1999年アメリカで、EPA(IPA)DHAのうつ病に対する治験が行われました。
その結果、EPA(IPA)DHAはうつ病に有効であることが、証明されたとい報告されています。

 

人体細胞の膜は脂肪で作られ、その脂肪で最も重要なのがEPA(IPA)DHAなのです。

 

特に脳の神経細胞は、他の人体細胞よりも、EPA(IPA)DHAを多く含んでいます。
脳はセロトニンやアドレナリン、ドーパミンなどの伝達物質で、情報のやり取りをしていて、この伝達物質が不足すると、うつ病を発症します。しかし脳内伝達物質が十分に足りたとしても、伝達物質を受け取る、受容体の脳細胞膜の性質が良くないと、脳は十分に働かずに、うつ病などの精神疾患を発症してしまうのです。

 

この膜の性質は、食事から摂る脂肪酸の種類で決まります。
EPA(IPA)DHAなどのオメガ3系脂肪酸の中で、最も神経細胞膜の機能を良くする脂肪酸です。

 

EPA(IPA)DHAなどのn-3系に良く似た脂肪酸に、多価不飽和脂肪酸n-6系(オメガ6)があります。

 

多価不飽和脂肪酸n-6系には、リノール酸(コーン油、ヒマワリ油)やアラキドン酸(牛肉、豚肉、鶏肉)などがあります。EPA(IPA)DHAなどのn-3系もアラキドン酸のn-6系も共に、体内で作る事ができないので、必須脂肪酸です。

 

EPA(IPA)DHAのn-3系とアラキドン酸のn-6系との理想の摂取比率は1:1ですが、現代の食生活では肉類が多いので、EPA(IPA)DHAのn-3系は不足ぎみです。

 

EPA(IPA)DHAのn-3系が不足すると、競争関係のアラキドン酸のn-6系が神経細胞の膜の構成成分になり、脳の膜の機能を低下させます。このため脳の働きが悪くなり、うつ病またはうつ状態になります。